新型コロナウイルスの感染が大問題になってから1年になる。多くのところに停滞や困難を持ち込み、近く緊急事態宣言は解除される見通しといっても、依然として先行きは不透明だ。
先日、久しぶりに取材に行った先で、それまでなかった展示スペースに通された。モノを前にした取材は分かりやすかったが、聞くと、コロナ禍で市場が止まり、外に出ることそのものが制限される中で「新たに作った」という。
別のところでは、出られなくなったことで「社内のコミュニケーションが進んだ」。コロナ前は1週間に1度の会議が精いっぱいだったが、オンラインも含めて毎日のように話ができるようになったとのことで、会社のポジションや将来像について共有が進んだという。
開発中の商品に「じっくり取り組むことができた」と語るところもある。
もちろん業績を見れば極めて厳しく、さまざまな苦労があることはうかがえるが、「前が止まって」できた時間。棒に振らず、せめて次につなげようという努力は大切だ。終息後といわず、すぐにでも結果につながることが望まれる。
(光)