TSIの「パーリーゲイツ」が堅調だ。第3四半期(20年9~11月)は同社の上位10ブランドのうち、最も高い増収率(派生ブランド含め3.2%増)を示した。新型コロナウイルスの感染リスクの少ないレジャーとしてゴルフ自体が注目されているが、百貨店を主販路とするブランドでは異例の伸び。要因を岡田浩治パーリーゲイツ事業部長は、「スタッフがブランドを心から愛しているからこそ、ポジションにかかわらず、皆が積極的に意見を出し合えているため」と指摘する。
例えば、今春の販促物の制作エピソード。ブランドの代名詞である明るい色柄を封印し、「コロナ禍でもお客様にとってエッセンシャルなものでありたい」とのメッセージを込めるため、販促物は服を打ち出さなかった。当然、関係者からは疑問の声が出されたが、デザイナーやプレスがその意図を繰り返し説明し、ベクトルを合わせた。
こうした話を聞くと、どんな時代もビジネスの基本は、コミュニケーションだと感じる。手間をいとわず、対話を重ねたい。
(潤)