《視点》折れない心

2021/04/09 06:23 更新


 真新しいスーツを着た若い人を街中や電車内で目にする機会が増え、春になり新年度を迎えたことを実感する季節となった。昨年は入学式や入社式の中止が目立ったが、今年は新型コロナウイルスの感染対策に留意しながら、対面で式典を行う学校や企業が増えているようだ。

 入学式帰りの親子連れ、新入社員のグループのほか、よく見るのが就職活動中の学生たち。ファッション業界では昨春から業績不振に陥り、新卒採用を大幅に減らす企業が多い。特に販売職の募集は激減。若干名の募集が多く、「いい人材がいれば採るが、最終選考まで進めても、いなければ採用はゼロ」など買い手市場で、学生にとって非常に厳しい就職戦線となっている。

 学校の就職支援室などに対策を聞いても「採用枠が狭まっているので間口を広げ、早くから就活すること」「強いメンタルと折れない心が必要。志望する企業や職種の募集が少なくても、あきらめたら終わり。3分の1の力でいいからアクセルを踏み続けるしかない」と決め手はなく、長期化を見込んでいる。新卒市場の冷え込みを逆手に採用を増やす企業の増加を祈ることしかできないが、歩みを止めず頑張れ就活生。

(陽)



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