《視点》なだらかな山脈

2021/05/07 06:23 更新


 最近娘がユーチューブでゲーム動画を熱心に見て、「欲しい」とリクエストしてくる。「遊ぶ時間を管理し、勉強と両立できるようになったら」という条件で、そのうち「ニンテンドースイッチ」を買う予定でいる。

 自分もゲームが好きなので、先行して下調べをするといまだに本体がなかなか買えない状況であることが分かった。新型コロナウイルスの影響で需要が高まり、供給が追い付いていないようだ。買い占め、転売も影響しているらしい。

 転売と言えば、産地で生地からこだわった物作りをしているカジュアルブランドに聞いた話を思い出した。SNSで素早く情報をつかむ若者の間で、作り手も驚くほどの早さで売れてしまう人気なのだが、「昨年あたりからあまりにも異常な売れ方をするので、21~22年秋冬展から対策を講じた」。具体的には卸先に1型当たりの受注量に上限を設けることにした。

 手探りの試みだったが、受注全体を振り返ると、全体では大きく伸びなかったものの、各品番バランス良く受注が入り、なだらかな山が広がったそうだ。以前は極端に高い山が点在していた。ブランドを長く育てるというブランディングの観点からもこの対策は正しいと思う。スイッチも期待に胸を膨らませながら抽選販売で手に入れるつもりだ。

(畔)



この記事に関連する記事