親族の法事に出かけてきた。人口28万人ほどの地方都市。車の中から見ただけだが、かつての繁華街はシャッターを下ろした店のほうが多い。駅前の昨年閉店した百貨店のビルのファサードの特徴的な形が、いかにも空っぽの表情に見えた。
しかし新しい高層のマンションは増えている。どんな人が住むのか同乗者に聞くと、リタイア世代が郊外の戸建ての持ち家から住み替える例が多いとか。生活にも便利なので夫婦が1台ずつ持つ車を二人で1台にして維持費を浮かせる。不動産業者はそのような世帯に営業をかけているらしい。
東京など都会に人口が集中して地方はさらに小さくなっているが、地方都市の中でも中心地と郊外で同じような現象になっているということか。ガンガン作り、一方でさびれていく。
最近、地方での生活がいいと思うようになった。成長とか繁栄とかいうものが日本と世界の未来を壊しているように見えてきて、自分の生活も変えたいと。これからは上手に小さくなることを考える時代ではないか。閉店した店を見てそのことをまた考えた。
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