情報交換にと、取材先の社長がランチに誘って下さった。古民家をリノベーションした趣ある店に入ってメニューを見ると、ドリンクを除き、あるのはたった1種類のコース料理のみ。ランチだけでなく、夜も同じコースだけを提供しているという。ただ、ずっと同じというわけではなく、コースメニューは月ごとに変わっていくらしい。
1カ月にわたって同じメニューということは、食材が絞られるということになる。客の回転率が読めれば、食材ロスを最小限に防げる。ロス低減は経費的にも、サステイナビリティー(持続可能性)においても、喜ばしい。味が確かならば月ごとにメニューを変えることで、顧客が毎月来店する動機付けになる。
価格は3000円強と決して安くはないが、店内は友人同士と見られる女性客でほとんど満席だった。月1回のぜいたくと考えると決して高くないのだろう。
流行があるファッションとは事情が異なる、という声もあるだろうが、経営戦略において、こういった発想は参考になるだろう。
(森)