《視点》布石

2021/06/17 06:23 更新


 6月に入り、ファッションジュエリーブランドで新ラインや新作の発表が相次いだ。ジュエリーはいわゆる〝豪奢(ごうしゃ)品〟として、この1年、コロナ禍で特に販促を打ちづらかったアイテムだ。そろそろ緊急事態宣言が解除されると見込んで、このタイミングでのリリースを仕込んでいたと思われる。

 また、この時期に発信しておかないと、クリスマス商戦につなげられないという目算もある。

 発表された新ラインは、海外戦略を見込んだものや、既存でリーチできていない富裕層市場への進出を意識した商品など、新しいマーケット開拓に向けた意気込みを感じるものが多い。

 この間、ファッションジュエリー市場は競合の激化や、令和に入っての日並びの影響によるクリスマスギフト市場の縮小などで、やや低迷気味の感があった。その危機感を背景に、各社準備を進めてきたのだろう。コロナ禍での空白の期間は、改めて次の方向性を確認できる時間であったのかもしれない。

 「このタイミングでバットを振れる体力がないとね」とは、某社長。非常時を生き抜くためにコストを抑制、スリム化を図ってきたなか、そろそろアフターコロナに向けての布石を打つ時期が来ているのかもしれない

(維)



この記事に関連する記事