《視点》風の時代をしなやかに

2021/06/18 06:23 更新


 昨年からよく耳にするようになった「風の時代」という言葉。占いに疎い記者すらも、意識せずにはいられないパワーワードだ。20年末に星の配置が変わり、200年に1度の大きな変革期を迎えたという占星術の教えによると、土地やお金、権力重視の地の時代から、情報や知識などが大切にされる風の時代に入った。要するに多様な時代を自由に生きる機運が高まっているという。

 ファッション業界でも占い好きはかなり多く、風の時代の話題は多い。これまで絶対に崩れなかった決まり事やしがらみを一度見直し、個々にとって最適な方法でしなやかに進む人も増えている。

 その最たる取り組みを、ベイクルーズのシティショップで聞いた。産休に入る片山久美子コンセプターに代わって、高島屋の長尾悦美ウィメンズファッションディレクターが期間限定で代理を務める。信頼しあう2人のプロが課題を乗り越えるために、企業の垣根を飛び越えた。以前では考えられなかったことだと思う。柔軟な発想力と推進力に頼もしさを感じるとともに、現場の判断を認めた企業の懐の深さにも拍手を送りたい。多くの人や企業が変わろうとしている。

(規)



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