10、55、179、287。17年から20年までの各年で「SDGs」(持続可能な開発目標)の言葉が含まれる繊研新聞の記事数だ。今年は5月末までに198の記事が掲載されている。SDGsの取り組みが年、いや日を追うごとに広がっている証左だろう。
それぞれの記事を読むと、そのほとんどはSDGsの17の目標の一つ「つくる責任、つかう責任」に偏重しているのがわかる。SDGsに取り組んでいるという企業に他の目標について問うと「まずは環境面から」と多くは苦笑気味に答えが返ってくる。質問自体が意地悪なのかもしれない。「平和と公正をすべての人に」など、すべての目標に向かうのは確かにきびしい。
それでもファッションを扱う企業には、できるだけ多くの目標に取り組んで欲しいと願う。目標の一つにジェンダー平等の実現があり、日本は国際的に遅れている。今年の繊研新聞で「ジェンダーレス」を含む記事の掲載数はすでに昨年を上回った。この課題に取り組む人たちにエールを送りたい。
(樹)