ベランダを設けない住宅が増えているそうだ。主に洗濯物を干す用途で標準装備されるスペースだが、昨今の注文住宅では無くすケースが珍しくないという。背景には、洗濯物を外に干さない家庭が増えていることがある。部屋干しというと、明るいうちに洗濯物を取り込めない共働き世帯や、梅雨の時期に仕方なく行うイメージだったが、今は花粉などの飛散物や天候を気にしなくていいといった積極的な理由から選ばれているようだ。
最近はコロナ禍で増えた家事負担を軽減しようと、〝干す〟こと自体が見直されていると感じる。乾燥機能が付いたドラム式洗濯機の販売が好調という。ガス式乾燥機「幹太くん」のヒットも象徴的だ。発売から40年近い商品だが、この数年で販売数を大きく伸ばした。電気式に比べ風量が多く高温で、乾燥時間を大幅に短縮できると好評だ。
乾燥機は縮みが気になるが、ネット上の口コミからは、おしゃれ着以外あまり気にせず使っている印象を受けた。子供服は縮むのを見越して大きめを買ったり、縮みそうな服は買わないという声も散見された。
生活の変化は新たな需要を生む。家庭用洗濯機で洗える服は、春夏のメンズスーツで人気に火が付き、ファッション分野にもすっかり浸透した。
次は、乾燥機を使っても縮みにくい服が広がるかもしれない。
(侑)