《視点》暮らしの服

2021/09/02 06:23 更新


 百貨店のリビングフロアで服の品揃えが拡大している。以前から部屋着の売り場は配置されていたが、ここ数年、暮らしをベースにした提案がアパレルでも注目され、昨年からのコロナ禍で〝おうち時間〟の楽しみ方がテーマとなり、リラクシングウェアがインテリアでも一つの領域として育ってきたと見られる。

 実際、モード系をはじめとした一般アパレルが厳しいなか、暮らしの服はおおむね堅調に売れている。モードやトレンドよりも着心地、肌触り、ストレスのないリラックススタイルなどが特徴で、提案しているブランドもライフスタイルショップなどでの販売が多い。百貨店でもリビングフロアは全体に健闘しており、ブランド側もアパレルフロアではなく、あえてリビングフロアで展開したいというところも多い。

 今、暮らしに寄り添うということに高い関心を持つ人が増えている。服も暮らしの中で選び、自分の家を中心とした衣生活を考える傾向にあり、ライフスタイルやリビングなどと合わせて提案されるアパレルにもなじんできた。すべての需要がそうなっているわけではないが、この傾向はコロナが収まっても続きそうだ。

(武)



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