《視点》実店舗のように

2021/09/15 06:23 更新


 DtoC(メーカー直販)ブランドが市場に増えている。企業のオンライン販売強化もあるが、インスタグラマーやアイドル、タレントなどによるブランド立ち上げも目立っている。

 ファッション業界全体の低迷に加えトレンド不足も重なり、マス市場向け商品の低迷の一方で、ニッチな市場やブランド背景、プロデュースする人などに共感できる商品が動いていることもDtoCブランドが続々と登場している要因の一つのようだ。

 リアル店舗を持たないDtoCブランドは家賃や人件費などの固定費がかからずに運営できる点もメリットとしてある。だが、コロナ下の外出自粛などを受けて、ネット販売の利用者がさらに伸びる中で競争も激しくなっている。また、撮影など設備やシステムへの投資、認知を高めるネット広告、そして肝となる物流の構築など簡単ではない。

 さらに、実際に試着したいなどの要望は強く、期間限定店を出店するケースも増えており、常設店を出店したブランドも出てきている。

 限られたファン向けだけであればいいが、DtoCブランドでも認知度を上げて拡販していくには実店舗のように投資と顧客とのコミュニケーションは欠かせない。

(伸)



この記事に関連する記事