《視点》実行、継続する力

2021/12/24 06:22 更新


 繊研新聞社は、認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)のACE(エース)と共同で、繊維・ファッション企業を対象に「サステイナブル(持続可能な)調達に関するアンケート」を実施した。詳細は12月3日付紙面に掲載されている。その結果から、業界企業が環境や社会に配慮した事業活動を強めようとしていることがわかった。意識が高まっている分、掲げている理想と実際の行動とのギャップが大きくなっていることも垣間見えた。

 SDGs(持続可能な開発目標)、サステイナビリティーを事業活動と結び付けて取り組むことは世界的な潮流だ。アンケート回答企業96社の95%が「SDGsを意識した企業活動を行っている」、80%が「SDGsに関連した経営方針・目標・計画を定めている」という結果に「当然」という人は多いはず。

 一方、その実行性が課題のようだ。既に多くの選択肢が出揃った環境配慮素材の使用に関する問いには回答できても、取引先の労働安全衛生や人権に関する具体的な行動まで問うと、回答率は半分程度までぐっと下がった。多くの企業がスタートラインに立ったが、そこからどのように踏み出し、進むのか。宣言だけではもはや評価されない。実行力、そして悩みながらも改善し、継続していく力が問われている。

(嗣)



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