幅広い男性客を取り込み、人気を誇るドメスティックブランドがある。商品がデリバリーされると定番商品はすぐさま完売。巷(ちまた)では「幻」と呼ばれることもあるブランドだ。そのブランドが先日SNSで炎上していた。
炎上内容は接客。「服は一流だが接客は三流」「客がいるのにポケットに手を突っ込んで下を向いている」「人を小馬鹿にした対応」――。直営店に対する口コミがSNSで拡散され、いいね2000、リツイートが300超えとなった。
興味深かったのは、そのブランドに対して批判の声ばかりでないことだ。「殿様商売」との声がある一方、「小声なだけで不愉快な気分になったことはない」「絶妙な距離感ですごく好き」「変に絡んで来られるより楽」「媚(こ)びていない」との声も多かった。
自分もこれまでの経験を振り返ると必要以上の大きな声、丁寧な接客に不自然さを覚え、「販売員は疲れるのでは」と疑問を抱いたことも。現場の販売員は過剰接客で消耗していないか。それは持続不可能なのでは、と一瞬頭をよぎる。
あくまで販売員と消費者の関係は対等。自分も含めて、消費者は求め過ぎていないか。胸に手を当てて考えたい。
(森)