ライフスタイルショップが増えている。各業種で開発が進んでいるが、試行錯誤しながら、運営をどう軌道に乗せるか、苦労も多いようだ。大きなテーマが滞在場所としての実店舗だ。暮らしやライフスタイルの趣味嗜好(しこう)やヒントなど気分や創造を高める場所としての店づくりで、購入場所というよりも生活動線上の場所、あるいは定期的に訪問する場所として位置付けられる店舗であることがテーマになってきた。
代官山の蔦屋書店はその典型例で、書店でありながら飲食の場でもあり、シェアラウンジの機能もある。生活動線に組み込んでいる人も多いのではないだろうか。東京湾岸のアピットオートバックス東雲も従来のギアや用品、ピット利用に特化したカー用品店からライフスタイル提案型カー用品店に生まれ変わった。カフェやアパレル、アウトドアなどカーライフの派生的な提案、子供の遊び場の設置など時間消費性を持たせた滞在空間に仕上げた。来店客層が大幅に広がり、滞在時間も大きく伸びた。
単なる品揃えの総合化ではなく、専門性を生かした店づくりの開発の余地はまだまだありそうだ。つい寄ってしまい自分の潜在ニーズを自ら探ってしまうような店舗提案が求められている。
(武)