最新の脳科学では、人の心の性は、男性と女性に2分されるものではなく、色彩のグラデーションの様に連続性があることが分かってきた。
性のあり方を決める要素として「心の性(性自認)」「身体の性(生物学的性)」「好きになる性(性的指向)」「表現する性(服や髪型などで表現する性)」がある。
LGBTQ(性的少数者)の全人口に占める割合は、電通の20年の調査では8.9%で、11人に1人の割合だ。これは左利きや、血液型のAB型の人とほぼ同じ比率。そうであれば〝少数〟と呼ぶのが妥当なのか疑わしいのではないか。心の性(脳の性)の境界線はあいまいであり、身体の性よりも多様性がある。生活環境や社会環境などによって、その心の有り様は変化してくる。何より大事なことは、各人が心の抑圧や葛藤から解放されることだ。
5月17日は「多様な性にYESの日」(International Day Against Homophobia,Transphobia and Biphobia)として国際的に知られている記念日。人の心のバイアスを取り除き、「着たい服を、着る」ことに寛容な社会になることで、ファッションはより豊かなものになる。
(民)