古くなったエアコンを買い替えたい、と何度か大型電器店に足を運んだ。候補の機種を絞ったのだが、そこからなかなか先に進まない。どれも別注品で、「長く使いたい」と考える自分に対するスタッフの接客に不安も感じたからだ。
買う前にネットで商品の様々な口コミ・評価を見るようになったが、別注品はそれが少ない。他店との競合を避けて生まれたのか、大量発注による買い得品なのか、などとつい考えを巡らせてしまう。スタッフは、「とにかくお買い得だから」と推すばかりで、こちらが冷めてしまった。別のスタッフに確かめてみようにも見当たらない。
ファッション業界にも、別注品や協業品は多数ある。実現までには、ブランドと小売店が互いに信頼し合い、熱意や視点などをリスペクトしているはずだ。こうした魅力が分かりやすく伝えられれば、両者のファンはもちろん、新規の客も開拓できるだろう。
別注品の背景をきちんと語ってくれるスタッフがいれば、前述のエアコンのような話にはならない。モノの魅力も大切だが、客が納得できるように提案できるヒトの充実も改めて不可欠だと思った。
(畔)