ランドセルはどこまで進化するのだろうかと毎年、思っている。形状、大きさなどほとんど変わらない中で、何十年もの間、毎年何らかの機能性が改善され、付加されている。今後も使い続けられる限り、より良い企画が生まれ続けるのだろう。
その一方で、少子化が進行し、6年後には新入小学生は今の4分の3になる。つまり市場の4分の1がなくなる。しかも新規参入組を中心にナイロンなどの布帛系や従来のランドセル形状を崩したデザインのものも増えつつある。各メーカー、各ブランドの特徴や存在価値が消費者に求められているものかが問われるだけに一層、自社の企画に磨きをかけなければならない。メンテナンスなどの各種サービスも急速に増え充実させている。
有力企業はランドセル以外の事業に手を広げている。大人向け、かばんやバッグ以外の分野、ライフスタイル提案など多角化も重要視されている。
ただ、本業のランドセルでは手を抜けない。市場規模は現在約500億円だが、単価が変わらないとすると6年後には400億円以下になると予想できる。パイが縮小する中で、いかにシェアを確保するか、各社の今後を見据えた動きが目立ち始めた。
(武)