久々に熱狂を体験した。5月末に新宿・歌舞伎町で開催されたドラァグクイーン(女装パフォーマー)による大規模なショー「オピュランス」だ。
日本初の大規模なドラァグショーで、1月に続いて今回で2回目。世界的に有名なアメリカのドラァグクイーン、ル・ポールがホストを務め、ネットフリックスで人気のリアリティー番組に登場した面々が、エネルギッシュなダンスやショーを披露する。クラブイベントのような演出も特徴で、2時間ほどの企画は目まぐるしく展開する。
誘われるがまま面白半分で行った私と観客には最初、温度差があったが、次第にエンタメの世界に引きずり込まれた。華やかでド迫力のショーにみせられたのはもちろん、そのポジティブな魅力にも引き付けられた。何より彼女たち自身が徹底的に楽しんでいた。そのテンションに引っ張られ、相乗効果でさらに盛り上がる。会場が一体となって熱を帯びていた。
人が没頭して作り上げたものには、説得力がある。作品の完成度とともに、作り手がどれだけのめり込み面白がっているかが、その魅力を左右する。なるほど、人気なわけだ、ドラァグクイーン。
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