日本を代表する文化の一つにアニメがある。日本動画協会によると、21年にユーザーがアニメに支払った金額の推定は10年前の2倍で過去最高の2兆7422億円。この10月から始まる、いわゆる23年秋アニメは85作品もあり、現在は第4次アニメブームの最中にある。
今のブームはネット配信サービスに支えられている。配信は一昔前の海外とのタイムラグもなくし、海外市場も1兆3134億円にまで成長している。かつては毎週決まった時間の放送に縛られていたアニメは、自分の見たい時間に楽しむものとなり、目にする機会を増やした。結果的にファンも増え、映画化やイベント、関連商品などの好循環を生んでいる。大物アーティストが主題歌を担い、ヒット曲となるのも珍しくない。
翻ってファッション産業をみると、ネット活用は国内ECにとどまることが多く、別のビジネスへの派生も少ない。日本のファッションを海外の消費者もいつでも自由に楽しめるようになれば、新たな地平も見えてきそうだ。
(樹)