アパレルはじめ日本の様々な業界で人手不足が深刻になっているが、欧米ではコロナ禍を経て雇用市場が回復し始めた21年後半に大量の離職者が出たそうだ。働く意味を問い直す動きが広まり、やりがいのある仕事、より高い給与を求め、多くの人が転職した。
しかし今春、英語を使う人材を紹介するロバート・ウォルターズ・ジャパンが英仏で行った調査では6、7割が前の職場に戻りたいと答えたという。「前の職場の上司と連絡を取り合っている」人は英国で82%、仏で72%を占めた。
一度、退職した企業に再就職する従業員を〝ブーメラン社員〟と呼ぶらしい。日本でも20代の3人に1人が入社3年以内に退職する時代になり、採用難の中でブーメラン社員が注目されている。社風も仕事のやり方も知っている、まさに即戦力。経団連が22年に行った調査では、回答企業の約65%がブーメラン社員の〝カムバック採用〟を取り入れているとのこと。社外で経験を積んで成長して帰ってきた救世主として、多くの人の活躍に期待したい。
(陽)