新型コロナウイルス感染症の5類移行後初となる年末年始が過ぎた。私自身も帰省で大阪から九州へと向かったが、交通機関は大混雑。帰り際、知り合いに「何か手土産を」と立ち寄った土産物売り場のにぎわいにも驚いた。駅前の売り場はもちろん、帰省先の百貨店の1階には地元特産品コーナーがあり、そこも多くの人でにぎわっていた。
帰省客が増えてお土産需要が回復しているだけでなく、「ふるさと納税」なども一般化する中で、せっかくだから旅行先や故郷の商品を買おうというニーズが強くなっているような気がした。
先日、自社ブランドに取り組んでいる広島の縫製工場の社長を訪ねた際、「広島市内の百貨店での催事が好調で、帰省客などが買ってくれるケースも多い」という話を聞いた。消費者はただ安いものや品質がいいものだけを買うわけではない。何でもすぐにネットで買える時代だからこそ、そこでしか買えないものや自分がわざわざ足を運んで買ったもの、思い出を重ねられるものの価値が、より高まっているのかもしれない。
(騎)