5月に交代するイオンモールの岩村康次社長は、「厳しい4年間だったが、闘った4年間だった」と、20年3月の就任以降、ほとんどがコロナ下にあった任期を振り返った。
23年度、客数の回復が思うに任せず業績を伸ばしきれなった。中期3カ年計画の修正を迫られることとなったが、自由が丘デュアオーネ、スィーユーヨコハマと都心型の施設を開業した。「(郊外型の)イオンモールだけをやる会社ではないことは伝わったのではないか」とする。再開発案件に領域を広げようという狙いがあり、「街中から商業が消えるのを止められないか考えてきた」と地方を含めた都市部への思いは強かった。
このほかにも地域共創を掲げたコーポレート・ベンチャー・キャピタルや、ディベロッパーながら物流問題に応える共同配送サービスなどを立ち上げ、マンション開発のマリモと資本業務提携もした。新機軸は少なくなく「これからだった」が、3カ年計画を見届けることなく去ることとなった。
(光)