《視点》違う景色

2024/07/10 06:23 更新


 「親の教育方針で、小さいころはスマートフォンは持っていませんでした」。翌年春に卒業予定の専門学校生を取材する機会があった。その際にある学生が話していた。スマホが身近になかったおかげか、現在も「スマホに依存していない」。「気になることはフットワークを生かし、自分の目で確かめるようにしている」と話したのが印象的だった。

 よく聞く話だが、「最近の若い人たちは、最短距離で正解に近付きたがる」といわれる。スマホで気になることはすぐに調べられるからだ。とはいえ、若者だけがそうではなく、記者をはじめ多くの世代の人が現在はそうしているだろう。

 スマホを利用して知識を増やし、様々な角度から事実を検証する能力は、圧倒的に若い人たちの方が勝っていると思う。だが、時には根気強く、遠回りしてでも違う形で情報収集をしてみることも大事だと思う。その認知度や重要度がどれぐらいなのか、もっと大事なことは何なのかなど、違う景色が見えてくるかもしれない。

 そういえば、冒頭の学生は「緊張している」と言いながら、コミュニケーションがとても上手だった。

(畔)



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