先日、初めて訪問する企業に取材依頼のメールを送ると、広報担当者から「実は一度お会いしてます」と返信がきて驚いた。
彼女は数年前にプライベートで立ち寄った専門店で接客をしていて、会話に花が咲き、名刺を交換していた。1年ほど前に転職したのだという。
彼女からの返信を読んでいて、当時の記憶がよみがえった。その日、時間もないのに無理をしてバスと列車を乗り継いで店に行った。あの時の好奇心が思わぬところでつながるものだと感動した。
ある雑貨メーカーの社長は、社員の働きを評価する指標として、売り上げだけでなく「誰と出会ったかを重視する」と話す。
最終的に売り上げにつながらなくても、業務を通じて誰か素敵な人と出会えたなら、それも「会社の資産に違いない」。その思想は、非効率を恐れず愚直に取り組む姿勢につながる。
オンラインですむ時代でもリアルの強みは人との出会い。忘れずに大切にしたい。
(桃)