《視点》完璧にこだわりすぎずに

2024/10/03 06:23 更新


 個人クリエイターの創業支援施設、台東区デザイナーズビレッジ(東京)を取材する機会があった。取材した一人のクリエイターが「ブランドコンセプトを固めるのは6割程度。残りは製作・発信・販売と行動する中で考える」と話していたのが印象的だった。

 クリエイターはこだわるあまり、完璧ではない作品は表に出したくないものと思っていた。でも、話してくれた方は頭でっかちになるより、とにかく商品を作り、販売する経験を積むことで、客の反応やニーズを見極め、取り入れながらブラッシュアップすることを大切にしているようだった。プロモーションやブランディングなど、商品作り以外にも目を向けるべきという同施設の支援方針にも重なって見えた。

 企業やブランドを取材する中で、最高傑作と思っていた商品があまり売れず、二番手、三番手と思っていた商品が代表商品になっているという話も聞く。完璧と思えずとも勇気を持って、一度世の中に出してみることで、得られる学びは大きいと思うし、自分では認識していなかった自分の価値に気付ける可能性もあると思った。

(朗)



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