この間、色々な縁がつながって、韓国企業を取材する機会が多い。先日、繊維産地、大邱の人たちとお会いした。そこでふと思ったことがある。環境や社会課題を語る人が多いが、それがさりげないのだ。
日本でもサステイナブルはずいぶん浸透した。数年前よりも、環境配慮型素材の使用は当たり前のようになった印象。でもどこか、サステイナブルを意識し過ぎてきた節や、ファッション性以上に、持続可能なブランドであることが評価される風潮があった気もする。
韓国はサステイナブルとクリエイションが自然に融合していると感じる。ブランドの原点に環境や社会課題への問題意識はあっても、まずはファッションアイテムとして、どのようなものを作りたいのか、なぜそれを作りたいのかという意志を丁寧に伝えてくる。
環境に負荷の少ない素材でいかに素敵な商品を生み出すかではなく、作りたい商品を作るための素材や生産背景が環境や社会にも優しいといった具合だろうか。作り手にも消費者にも緩やかに途切れることのない〝持続性〟を今一度考えてみたい。
(麻)