渋谷パルコが売り上げを大きく伸ばしている。19年11月に建て替え・拡大オープンした際に立てた年間売上高目標の200億円を23年2月期(229億円)に上回り、前期は359億円(前の期比57%増)を達成。今期も10月までで34%増と、このペースが続けば450億円を超えそうだ。
同館は「唯一無二の商業施設」を標榜(ひょうぼう)し、高感度で独自性を強調したファッション、カルチャー、アートを発信している。館特性に合わせた店作りやMDのブランドも多い。今期からの館コンセプトは「グローバルニッチ」。マス市場は基本的に狙っていない。
売上高が450億円を超えるSCは業界では上位グループに位置し、マス市場を取り込んでいる。渋谷パルコがこの規模に成長したのはニッチとされた分野がマス化したと捉えるべきなのか。
同館の平松有吾店長は「お客が求めているものが進化した。SNSが浸透して、様々な情報を即座に網羅できるようになり、ニッチがニッチでなくなった」と分析する。同館の成長は消費者ニーズとマーケットが大きく変化したことを示している。
(有)