先日、ラース・ツンビョルクというスウェーデン人フォトグラファーの代表的な写真集を購入した。タイトルは『オフィス』で、その名の通り、ストックホルム、ニューヨーク、東京のオフィスを5年間にわたって撮影した写真で構成されている。01年に刊行されたものが最近再版された。
01年前後といえば企業のデジタル投資が活発になってきた頃だ。日本でいえば、90年代半ばから00年代初頭までに急激に事業所へのパソコンの導入が進むなど、オフィスの風景も大きく移り変わった時期だ。
最近ではコロナ禍でリモートワークが一気に浸透し、同様に働き方やオフィスの在り方も変わってきた。一方、イーロン・マスク氏が自社の社員に出社を求めるなど、社会全体でオフィス回帰の流れが強まる兆しも見えている。
AI(人工知能)の進化もこの話題には欠かせない。AIで変化していく働き方の先に、リアルな人間同士の生み出す価値はあるのか。出社する意味は何なのか、価値を最大化するオフィスはどんな形なのか。今一度考え直す節目なのかもしれない。
(平)