家族があるブランドのチャームを購入した。店頭では品薄で手に入らず、フリマアプリを利用した。
無料の鑑定サービスを申し込むと、届いたのは「明確な判定が出来かねます」との回答。本物か偽物か分からないという。
ようやく購入できて喜んでいた家族は落胆したが、疑わしい商品を買わずに済んだと安堵(あんど)。出品者と連絡して取引はキャンセルとなった。出品者からは「本物と確信している」とのメッセージが届いたという。
数日後、別のフリマアプリで同じ出品者がそのチャームを再出品し、既に売れているのを家族が見つけた。そこでは鑑定が有料で数千円かかる。購入者は依頼しただろうかとつい思う。
運営会社からすると、真贋(しんがん)判定で取引がキャンセルになれば、手数料収入が減る。仕組みに踏み込みにくい事情もあるのだろう。
それでも、ブランドの偽造品は年々精度が高まる。出品者や購入者だけで真贋を見極めるのは難しい。利害が交錯する中でも、流通を防ぐには真贋鑑定の標準装備が欠かせないのではないか。
(森)
