SNSにフォロワーが多い個人が始めたDtoC(消費者直販)ブランドを何社か取材する機会があった。話を聞くと、ディレクターやデザイナーは皆、良い商品を作ることにこだわりを持っていた。
いまやDtoCブランドは数え切れないほど存在する。分かりやすいトレンドを追いかけ、フォロワーに対して提供する商品が同質化することも珍しくない。そのため商品の質で差別化する必要を感じるブランドが増えているようだ。
あるブランドはディレクターにSNSのフォロワーが多いのだが、商売をスタートした時からディレクターを商品の宣伝に使う手法は封印し、「自分たちが作った服を見てもらう」情報発信を貫いている。この結果、立ち上げ当初はディレクターのファンによる購買が多かったが、現在はブランドのファンが購入してくれるようになったそうだ。
個人の発信にばかり依存し続けると、規模の拡大にも限界が来る。どんな形でスタートしたブランドであれ、自分たちが心を込めて商品を作り、そのことを伝えることに真剣にならないと、成長し続けることは難しいようだ。
(朗)
