スタイリストのフカミさんが手掛ける「弱いところ（weak）を終わり（end）にして自分を愛していく」という思いを込めたアパレルブランド「ウィークエンド」。〝幸せ体形〟と名付けた45歳前後のふくよかで低身長の女性を主要ターゲットに、体形をカバーしながら美しく見せるウェアを受注生産している。スタイリストならではの知見を生かしたデザインが好評で、25年夏から体形や年齢を問わない全ての人に向けた即納品の販売を始める。
（松本寧音）
ファンを幸せにしたい
フカミさんは、双子のタレント「広海・深海」としてデビュー。スタイリストの野崎美穂さんに師事し、15年からスタイリストとして独立した。ウィークエンドは、そんなフカミさんのスタイリストの知見を生かし、22年にファンのために立ち上げたブランドだ。
加齢による体形変化に伴い、「体形が気になって服が楽しめない」と話すファンの声が気になっていたというフカミさん。自分ができることとして、「隠すだけなく嫌いなところを好きになる手助けがしたい」と考えた。直接悩みや要望を丁寧にヒアリングし、品質や生産背景にもこだわりながら少ない型数をゆっくり形にして販売している。
それゆえ、美しく見えるシルエットと様になるスタイリング術をディテールで表現したデザインが魅力だ。デビュー以来、〝お見立て会〟で販売してきたが、23年に初めて公に開いた展示会で、主要客層とは異なる年齢や体形の人が多数来場。より幅広い人が着られる服への要望が多く、構想に約1年かけて企画を練った。
即納、受注の二軸で
ラインナップは、「大転子が張って見えない」フレアシルエットのジレや腕がほっそりして見えるパフスリーブのブラウス、ショルダーストラップ付きで肩掛けしてもずれ落ちないようにしたテーラードジャケットなど。受注生産ラインは1がMサイズ相当だが、即納品は1がSサイズで2がMサイズ相当。
ブラウス1万9800円～4万5100円、ボトム2万9700～4万2900円。即納品のため、通常の受注生産ラインより20％ほど安く、手に取りやすい。公式ECで扱うほか、卸も行う。今夏から「ザ・トウキョウ」でも販売する。
今後も受注生産ラインは大切に続けつつ、即納品の卸先を広げながら「いろいろな人にアプローチしていきたい」とフカミさん。いずれのアイテムも「自分のために服を着ることが素敵」というメッセージとともに届けていく。
