ファッション業界における女性の活躍推進を支援する一般社団法人、ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(WEF、尾原蓉子会長)は22日、都内で設立1周年を記念した公開シンポジウムを開催した。「新たな視点でビジネスを立ち上げる―イノベーションをリードする現場力」をテーマに、ディー・エヌ・エー会長の南場智子さんが基調講演した=写真。
南場さんは、サービス利用者の関心を得ることや利用継続を進める上で、ユーザーの行動解析が欠かせないと強調。「属性別のセグメンテーションは時代遅れ。ネットの世界では個々人の関心に合わせ最適化されたサービスを提供しないと効果がでない」などと話した。
パネルディスカッションでは、三越伊勢丹執行役員伊勢丹立川店長の石塚由紀さんと、元JR東日本ステーションリテイリング社長で現在はカルビー上級執行役員の鎌田由美子さんが登壇した。石塚さんは「女性客の多いファッション小売りの仕事の基本は、お客様の購買行動への理解。これは男性では計り知れない。しかし、分析や仮説の裏付けには理論武装が必要で、その変換作業には男女間に能力差はない」と指摘。
鎌田氏は「JR東日本時代、プロジェクトを動かすときのパワーのかけ方は社内(対策)8割、社外2割だった。かつては組織の壁に何度もぶつかったが、そのうちに他部署から味方が現れ、裏道・回り道を教えてもらえることがある」などと話した。