NYで村上隆の新作展(杉本佳子)

2022/05/20 06:00 更新


 ニューヨークのマジソン街にあるガゴシアンギャラリーで、村上隆の「アン・アロー・スルー・ヒストリー」(歴史を射抜く矢)展が開催されている。特定の歴史に着目して作品をつくり、NFT(非代替性トークン)アート作品として発表。ウエブサイトを通じて、世界のどこからでもバーチャルで見ることが可能なメタバースにもつなげる。歴史を振り返りながら、次の歴史に繋げていこうという試みだ。ガゴシアンギャラリーとしても、バーチャルリアリティーを採用したのは初めてという。展覧会会場では、スナップチャットのアプリを通じて、絵のモチーフが飛び出てくるなどの拡張現実のアニメーションを楽しむこともできる。今や、アートの展覧会でデジタルとリアルを融合させることは、完全に定着した手法だ。

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 会場は3つの部屋に分かれている。6階にある1つめの部屋は、中国の元朝(1271年から1368年)の花瓶にインスパイアされた、白とブルーで描かれた魚をメインにした作品が並ぶ。「日本文化は元々ユーラシア大陸からきている」という発想で、古い歴史のあるものに着目しつつ、魚の表情とディテールに村上隆らしさを色濃く表現した。

 2つめの部屋は5階。打って変わってカラフルな作品がびっしり!村上隆の人気モチーフの花を、ピクセルアート風のタッチでさまざまにアレンジしている。

 3つめの部屋は、1階のギフトショップの奥になる。村上隆とバーチャルファッションブランド、RTFKT(アーティファクト)がコラボしたNFTコレクションのクローンXが並ぶ。クローンXは、メタバースへの実装を視野に入れたアバター。RTFKTはバーチャルスニーカーで人気が出て、昨年12月にナイキが買収したブランドだ。

 プレスプレビューが終わって出てきたら、外に10数人の若者たちが4時間後の一般公開に一番乗りしようと列をつくっていた。村上隆の花のバッジをたくさんつけた帽子をかぶるなど、一目で村上隆のファンと思しき男性たち。スナップチャットを活用したのも、こうした若い人たち向けということなのだろう。会期は6月25日まで。

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89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ



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