「ゾゾマットフォーハンズ」はスマートフォンとマットを使い、手指のサイズを自宅で計測できる技術だ。「ゾゾマット」や「ゾゾグラス」に次ぐものだが、BtoB(企業間取引)向けに開発されたのがポイント。ECで指輪を買う際のサイズ選びの不安を解消できるとしている。第1号としてブルガリジャパンが導入し、11月18日まで同カスタマーセンターが計測の申し込みを受け付け中だ。
(中村維)
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記者が計測を体験
記者は結婚指輪を海外ECで購入し、サイズが合わず修理した経験がある。そんな思い出も胸に、本当にぴったりサイズが測れるのか体験してみた。
まず、計測用マットにあるQRコードを読み込み、サイトに接続する。説明動画を視聴していよいよ計測だ。最初に「利き手」を選択。利き手とそうでない手で微妙にサイズが変わるためだ。その後、計測したい方の手をマットに置く。マット中央の円とスマホ画面の円を合わせた後、「青の方向からスキャンします」とのアナウンスに従い、スマホを傾けながらマットの色とアナウンスされた色を合わせて6方向からスキャン。最後に再び円を合わせて終了すると、親指以外の指のサイズが表示された。ここまで約3分。答え合わせに、表示されたサイズのリングゲージをはめてみると、人差し指、中指、小指はぴったり。ただ、薬指はわずかに緩みが。薬指は普段、例の結婚指輪をしているため、少しへこんでいる。そのへこみが緩みとなった模様。それがなければぴったりだっただろう。
ゾゾでは、ECでの購入に加え、実店舗に来店するきっかけにもなると見て、さらなる導入に期待をかけている。
手軽に高精度で
ゾゾ計測事業本部本部長・山田貴康氏に聞く
――ブルガリジャパンが導入する。
「ゾゾマットフォーハンズ」のBtoBでのライセンス提供は、ゾゾがこれから海外をどう攻めるかの一環。そのため、外資企業からの導入となった。同様のサービスを探していた先方にも、手軽に高精度でサイズ計測ができると評価して頂けている。
――開発の工夫は。
取り掛かってみると、利き手により差が出ることや、指の間にある水かきの付き具合が人によって違ったり、そもそも指輪のフィット感に個人で好みがあったりと、様々な発見があった。リングゲージもブランドによって微妙にサイズ差があるため、今回は「ブルガリ」が使用するものにカスタマイズしている。将来、リングのデザイン別カスタマイズという点を検討する可能性もある。反響を見てさらに機能改善していきたい。
――今後は。
今回を皮切りに「ゾゾヴィラ」に出店しているようなブランドへ広がっていければ。この他にもまだまだ温めている計測技術があり、既にプロトタイプの開発が進行しているものもある。計測技術を通してお客様に最適な商品を提供できるようになったことは、ECモールを運営する上でも他社にできない大きなインパクトと思っている。