プラダ、レイヤードで少年スタイル

2015/06/24 17:49 更新


 【ミラノ=小笠原拓郎】16年春夏ミラノ・メンズコレクションに、女々しい男性像が広がっている。ここ数年、レディスの要素を取り入れた男性のスタイルは徐々に広がりを見せてきた。ゲイの少年が着るようなアイテムや男性と女性がシェアできるようなアイテムが、市場性を拡大してきた。そんな機運を反映してか、春夏はなよなよした男性像が広がっている。

 プラダは、マイクロ丈のショートパンツを軸にした少年のようなスタイルを見せた。パンツやジャケットを彩るのは、白い糸で描く細かなステッチワークのディテール。15年春夏の象徴的なディテールだったステッチワークを、糸の細さやステッチ幅を変えて来春夏も取り入れている。

ステッチワークと並んでキーとなるのは、レイヤードスタイル。タテのカラーブロックを入れたシャツは、襟ぐりの大きなTシャツの上に重ねて、袖口からTシャツの袖をのぞかせる。スーツのなかには、タートルネックと鮮やかな水ヘビのシャツを重ねている。ショートパンツの足元は、サイクリングシューズに靴下を2枚重ねばき。シンプルなコーディネートにわずかに布を重ねてアクセントにする。

カラーブロックのスポーティーなブルゾンは、日本製の「テラディビザ」というユニフォーム用ポリエステルでできている。ウールのセーターは、ウサギやレーシングカーといった子供っぽい柄を編み込んだ。マッチョな男らしさとは対極にあるスタイルはいかにもプラダらしいところだが、単品で見るとショートパンツ以外はわりとリアリティーのあるものが多い。

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