来秋冬ピッティ・ウオモ展から

2014/01/20 10:54 更新


 14~15年秋冬ピッティ・イマジネ・ウオモ展では、クラシックなテーラードスタイルがどう変化するかに注目が集まった。ビジネス向けのスーツスタイルが世界的に市場性を失っていく中で、新しいテーラーリングの提案が求められている。(小笠原拓郎)

テーラーリング

 ジャケットでの遊びのある提案が目立つ。13年秋冬が大きな柄の提案が多かったのに対して、柄は小さくなった。アルパカやモヘアなど毛足がやや長い生地を使ったものが多い。注目は「ザ・ジジ」だ。現在、市場を引っ張る「ラルディーニ」に新ライバルが登場した。

■ザ・ジジ(イチ押し)

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 「ボリオリ」を手がけていたピエルイジ・ボリオリがデザインする新ブランド。素材開発とジャケットやコートのモデリングにたけている。チェック柄のジャケットは、実は織りではなく刺繍で柄を表現している。細かなチェック柄が途中から無地に変わるジャケットも、プリントではなく織り地で描かれる。モヘアチェックのコートなども、生地のオリジナル感とパターンで、あっさりと今の時代感を作り出した。

■ベルベスト

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 基本のブルーにブラウンからピンク、グリーンの差し色。製品染めのコートを充実した。カシミヤで約26万円といったプライスが魅力。75%カシミヤ25%グアナコのジャケットなど、ラグジュアリーな提案も多い。日本向けには、アンコンジャケットとダブルフェイスのコートを押す。

■キートン

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 カシミヤ混やカシミヤ・リネン・ウール、ウール14ミクロン、ビキューナ混などの高級素材を強調した。ドロップの利いた細身のスーツはチェックやネップ糸などの抑え気味のコーディネート。

■サルトリオ

 sartorio

 ジャケットの素材感にこだわった。アルパカ混、アルパカ・ウールなどの毛足のあるタッチ、コーデュロイの裏使い、チェックとネップのダブルフェイスジャージーなどだ。チェック柄は多いがシックなイメージ。肩に少しパッドを入れた軽くて羽織るような雰囲気に仕上がった。

■ラルディーニ

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 スーツ回帰を強調している。無地とチェックのリバーシブルのジャケットは、グレースーツにもジャケット&パンツにもなる。スーツのパンツはツープリーツを増やした。ポケットもバルカポケットやチェンジポケットなどバリエーションを増やしている。一方、ジャケットではブークレやネップの製品に注目が集まった。

■エルネスト

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 モヘアとツイードを奇麗な色にのせた。伝統的なツイードタッチも奇麗なチェックで軽やかに表現されている。コート地のジャカードを使ったジャケットなども軽く1枚で羽織るような着心地でできている。 コート、アウター  ミリタリーモチーフやワークウエアを背景にしたブースは依然として活気がある。「バラクータ」や「バブアー」を手がけるイタリアのWP社は新たなミリタリーブランドも獲得して次のマーケットを探る。

 

コート、アウター

■ヘルノ

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 ダウンのアイテムで新しい手法を使っている。ヘルノステッチレスと呼ぶ手法は、ダウンジャケットにキルティングステッチをするのではなく熱圧着で留めていくというもの。製品内のフェザーが飛び出てくることがなく、ダウンパックも必要ない。もう一つの手法は、人工のダウンを使ったアイテムだ。

■グリフィン・フォー・バラクータ

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 ジェフ・グリフィンが手がける「バラクータ」の新ライン。得意のミリタリーモチーフから展開したアイテムが充実した。ミリタリージャケットにミリタリーパーカなど、機能的なアイテムとツイードの素朴なタッチの組み合わせ。オリジナルカムフラージュプリントを裏地に使う。



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