16年春夏NY・コレクション4

2015/09/18 06:18 更新


 【ニューヨーク=小笠原拓郎、杉本佳子通信員】16年春夏ニューヨーク・コレクションは、ブランドのバックボーンを生かしながらモダンに見せようとする意図を感じさせる。アメリカのクチュールテクニックを背景にしたエレガンス、エフォートレスな気分を上質にこなすライン、テーラーリングの技術を生かした物づくり、それぞれのブランドがその持ち味を生かしたアプローチをした。

オスカー・デ・ラ・レンタ
オスカー・デ・ラ・レンタ


 ピーター・コッピングによるオスカー・デ・ラ・レンタは、花のモチーフを軸にした美しいコレクションを見せた。ポピーの花をかたどったカットジャカードのセットアップやドレス、カーネーションのプリントドレス、繊細な花がドレスを彩りドレープやラッフルが優しく揺れる。

 ボーンを入れたビュスティエドレスやチュールの透明感を生かした官能的なドレスは、レディーライクなエレガンスが強調される。ファーのコートにも象眼で立体的な花が描かれる。高級感のあるラインの一方で、ニットアンサンブルやリボン飾りのデニムジャケットをミックスして軽やかに遊んでいる。足元はパンプスとともにエスパドリーユもある。コンサバティブに寄り過ぎた前シーズンよりも、コッピングらしいツイストの利いたエレガントに仕上がった。

マイケル・コース
マイケル・コース

 マイケル・コースはエフォートレスでラグジュアリーなラインはそのままに、いつもより饒舌(じょうぜつ)に女性らしさを主張する。メーンは裾をひらひらたなびかせたジョーゼットのロングドレス。長く垂らした細いひもや深く切り込んだスリットも、軽くエアリーな動きをつくる。大きなポピーのプリントや立体的なコサージュ刺繍、シャンテリーレースなどを使ってフェミニンに。ウオッシュドコットンのパンツにセーターのコーディネートなど、上質だが気取りのない雰囲気を作る。ストリングス飾りやアイレットディテールがアクセント。

DKNY
DKNY

 パブリックスクールのダオイー・チョウとマックスウェル・オズボーンがデザインするDKNYは、テーラーリングを背景にしたリコンストラクトデザインを見せた。ピンストライプのスーツ地とシーチングのようなコットンがメーン素材。テーラードジャケットのほか、テーラード襟のドレス、プリーツスカートをアシンメトリーに縫い付けたドレスなどを出している。レイヤードも多く、タンクドレスは裾からシャツがのぞき、ピンストライプのコートの上にアシンメトリーにジャケットを重ねる。

ボス
ボス

 ジェイソン・ウーによるボスは、ブランドの代名詞でもあるテーラーリングのDNAを再解釈して洗練させた。フリンジを前合わせに飾ったコートやジャケット、パンツスーツなどはマスキュリンな気分。一方で、ドレスは薄手のプリーツ地を重ね、縦のラインと動きでフェミニンに見せる。フォーマルスタイルは、黒のベアトップドレスやベアトップコンビネゾン。胸元の折り返しがアクセントだ。
(写真=catwalking.com、ランディ・ブルック)



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