来春プレコレ、柄のミックスさらに

2015/08/06 10:05 更新


 16年プレスプリング&リゾートコレクションで、柄ミックスの表現がさらに複雑化している。大胆なグラフィカル柄、有機的な植物柄、ベーシックなストライプ柄。そこに刺繍やアップリケ、ノッティングなどを加えて立体感をプラスする。キュビズムや現代アート、庭園など美術に着想したコレクションも多い。タヒチやブラジルなど躍動感のある熱帯の土地に焦点を当てたデザインも出てきている。

 「クロエ」のスプリングコレクションは、ボーイッシュ、エフォートレス、フェミニンといった得意の要素を融合したスタイル。リラックス感の中にロマンティックなムードが漂う。イメージソースは、70年代後半のロンドンで広がったミュージックシーン。「胸の開いたシャツやキャットコートに身を包んだミュージシャンたちのスリムフィットなスタイル」がクレア・ワイト・ケラーの発想源になった。

 軸になったのはフォークロアのニュアンスと都会的なグラムロックの組み合わせ。ドレープが流れるウオッシュドシルクのドレスや透け感のある白いブラウスにはレパード柄が浮かび上がり、キルトのテディジャケットにはタイガーの顔が刺繍されている。クロエでは珍しいスカジャンが受注で評判だった。チェック柄のボンバージャケットやセーターなどカレッジ風のアイテムも。パステルやアーストーンで優しくまとめる。

 「バレンシアガ」のプレスプリングは、センシュアルなリゾートスタイルとリラックス感をミックス。開放的でエレガントなスタイルが揃った。ベアトップドレスを彩るのは南国の植物のシャドープリント。ブラック・アンド・ホワイトのモダンなドレスを引き締めるように、体のくびれに合わせて小さなビジューが飾られている。スカート部分には深いスリットが大胆に入っている。

 ラッピングやノッティングなど布を巻き付けたり、結んだりしてボリュームを加えたドレスやコートも多い。レントゲンの発想でクチュールテクニックの構造を丸見えにするというコンセプトも。オーガンディに透け感のあるスリップを組み合わせたドレスは、骨組みと重ねた布が見えるように仕上げられた。

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