19~20年秋冬パリ・メンズコレクション ドリス・ヴァン・ノッテン

2019/01/21 06:30 更新


 【パリ=小笠原拓郎】19~20年秋冬パリ・メンズコレクションは、新しいテーラードスタイルを模索する動きとストリートスタイルに固執する動きの二つが出ている。もちろん新鮮なのはテーラーリングの方だ。クラシックなテーラーリングを他の要素と組み合わせることでモダンにする。そんなスタイルが目立つ。

(写真=catwalking.com、大原広和)

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 虫の声に重なるポエトリーリーディング、そこにドリス・ヴァン・ノッテンのテーラードスタイルが登場する。チャコールグレーのシックなスーツから始まり、タイダイの淡い色彩をのせたスーツへと続く。ピンストライプのスーツには同じ柄のダウンコートを重ね、タイダイのコートにはタイダイのダウンストールを合わせる。タイダイを大胆にテーラードに取り入れたスタイルは、90年代初頭のコムデギャルソンの絞りのコレクションを思い出させる。当時はジャケットやパンツのヘムに絞りで柄を入れたものだったが、今回のドリスはタイダイで大きく放射状に柄を描いている。もちろん、時代背景も違う。当時は今に比べると、テーラーリングはメンズウェアの中心にあった。今はテーラーリングが時代から取り残され、新しいあり様を探している。チャコールグレーのスーツはダブルブレストできっちりとウエストシェイプされ、厳格なムードをもっている。その厳格でクラシックなテーラーリングにタイダイが幻想的な気分を与えている。テーマは「未来への郷愁」、次世代のテーラーリングを探ったコレクション。

ドリス・ヴァン・ノッテン
ドリス・ヴァン・ノッテン
ドリス・ヴァン・ノッテン

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