19~20年秋冬パリ・メンズコレクション ロエベ、ジル・サンダーが初のショー

2019/01/21 16:35 更新


 【パリ=小笠原拓郎】19~20年秋冬パリ・メンズコレクション期間中、初めての「黄色いベスト」デモの日を迎えた。シャンゼリゼ通りからコンコルド広場にかけての広範囲で道が封鎖され、ショー会場に向かうのも大変な状況。そんな中、初めてパリでショー形式で見せるコレクションに注目が集まった。

(写真=ジル・サンダーはcatwalking.com、ロエベはブランド提供)

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 ロエベは、これまでプレゼンテーション形式で見せてきたメンズを初めて、ショーで見せた。会場は恒例のユネスコ本部。ジョナサン・アンダーソンらしい重心を低めに置いたバランスとロエベのハンドクラフトテクニックを組み合わせたスタイルが広がった。

 アイコンとなりそうなのが、ファスナーを開けて履く黒いブーツ。太ももあたりにボリュームが広がり、コーディネートの軸となる。セーターにはオーナメント刺繍、シャツやセーターにファーのトリミングを飾ってアクセントに。ショート丈のシアリングブルゾンのほか、ジャケットにつけたクロコダイルのパッチポケットなど、メゾンの強みを生かしたディテールが充実する。

 伝統的なクラフトマンシップの一方で、ピンクのダウンベストやマリリン・モンローのプリントシャツで、キャッチーでキュートな雰囲気をプラスした。

ロエベ

 ジル・サンダーもパリで初めてのメンズコレクションを見せた。トーン・オン・トーンの静かなたたずまいの中に、ルーシー&ルーク・メイヤー夫妻のジル・サンダーへのオマージュが伝わってくる。コートにコートを重ね、スーツはパンツにファスナーを飾る。一見、ミニマルなジル・サンダーの伝統を継承しながらも、そこに現代のストリートのリアリティーをしのばせる。

 シャツとパンツのセットアップは、ヨークやベルトの飾りがついてもミニマルなムードを保っている。しわ加工のローエッジなコンビネゾンの一方で、ジル・サンダーらしいダブルフェイスカシミヤの上質なコートもある。クロシェニットの淡いメランジュ、カラーブロックで風をはらむアンサンブルなど、柔らかな色と静かな主張を感じさせるコレクション。

ジル・サンダー
ジル・サンダー

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