エアークローゼットは、アパレルのサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に向けた取り組みを強化している。将来的には「〝サーキュラーファッション〟のプラットフォームを目指す」考えだ。
同社は、月額ファッションレンタル「エアークローゼット」を軸に、洋服1着1着の着用機会を増やし、捨てられることを減らすサステイナブル(持続可能)な仕組みを構築している。事業開始当初から、商品を届け、返却品を検品・クリーニングして次の客に届けるという「循環型物流とメンテナンスのノウハウ」を蓄積してきた。客の着なくなった洋服を回収するプロジェクト「シェアクローゼット」も立ち上げている。
20年4月からはレンタル提供が終了したアイテムを販売する「エコセール」を開始。ベルトやリボンに不備があるだけで着用可能なアイテムなどを、限定価格で定期的に販売。エアークローゼットの会員登録の有無を問わず購入できる。
同8月には新品の洋服を客の自宅に送り、気に入ったものだけを購入してもらう「エアークローゼット・フィッティング」で、購入されずに返却されたアイテムをレンタル商品として活用する取り組みも始めた。
エアークローゼットは昨秋以降、会員数が「過去最高を更新」し続けている。コロナ禍の初期段階はテレワークが増えたため伸びが鈍化していたが、「8月くらいから働き方が戻ってきた」。店に行って服を買うという消費が躊躇(ちゅうちょ)されるなかで、同社のビジネスモデルがフィットしている。
天沼聰社長兼CEO(最高経営責任者)は、「サービスを利用することでお客が自然とサステイナブル活動に参加できる仕組み作りを強化する。ブランドに対しては洋服を最大限活用するためのパートナーとして信頼をつかみたい」と話す。
客のニーズに応えスタイリスト増員
「エアークローゼット」は、スタイリストが一人ひとりに似合うコーディネートを提案して、客はその商品をレンタルできるというサービス。利用者が増加したことで、「オンラインで活躍できるスタイリストは今後も需要が高まる職種」として、採用に力を入れる。
これまで現場業務が中心だったスタイリストや店舗で働いていた販売員から同社への問い合わせも増えている。そこで1月29、31日にオンラインで「新しい働き方説明会」を開く。同社では約300人のスタイリストが活躍しており、専業や副業など、ライフスタイルに合わせて働ける。説明会では独自開発の研修内容や、実際に働いているスタイリストのモデルケースなどを紹介する予定だ。