「アポクリファ・トーキョー」  30年代クラシックを都会的リアル服に

2020/04/16 10:58 更新


 「アポクリファ・トーキョー」は、「ヨウジヤマモト」のメンズパタンナーなどで経験を積んだデザイナー播本鈴二が20年春夏、スタートした。2シーズン目の20年秋冬は、30年代のクラシックなメンズウェアをベースに、フォルムのアレンジを加えてモダンなリアルクローズに仕上げた。中止となった「楽天ファッション・ウィーク東京2020」では、女性のモデルも交えた初のショーを予定していたが、代わって、都内のギャラリーで空間演出を伴った展示会を開いた。

 デザインの元にしたのは、米国の写真家のアルフレッド・アイゼンスタットが30年代に撮影した、ナチスドイツの政治家や軍人のスタイル。写真の中で、威厳を感じさせていたダブルブレストのジャケットは、片方の飾りボタンを外し、毛芯を入れた前身頃をタイトに絞ってすっきりと見せる。長い袖にはスリットを入れ、シャツをのぞかせたレイヤードスタイルで今っぽさを引き出した。

ダブルブレステッドのジャケットをスマートなバランスで見せる

 ミリタリーモデルをベースにしたトレンチコートは、フォルムの強さで重厚感を残しつつ、打ち込みの強いコットン地で軽やかな印象に。ミリタリージャケットを応用した上質なウール地のテーラードジャケットもある。シャープなエポーレットショルダーと長めのラペルで、都会的なエレガンスを際立たせた。「本質的なモノを作っていきたい」と播本。

ミリタリージャケットをテーラード仕立てに


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