アズノゥアズの自社ECサイトが好調だ。24年2月にサイトを刷新し、決済手段の拡充や動線の見直しなど利便性を高めた。電話対応や受注会といったリアルな接点の強化も奏功し、24年3月~25年2月の自社EC売上高は前年同期比で約20%増となった。
従来のサイトは「商品にたどり着きにくい」「決済方法が限られている」といった課題があったが、改修のたびにコストがかかる仕組みで柔軟な対応が難しかった。これを機にカスタマイズ性に優れた新たなプラットフォームに移行。ブランド一覧や特集ページを整理し、動線を明確にしたほか、文字サイズを大きくするなど高年齢層に向けた視認性の向上なども行った。
決済方法も拡充し、中でもアマゾンペイの利用が大きく伸びているという。
会員制度では、年間購入額に応じたステージ制を導入、先行セールなどの特典で顧客の囲い込みを進めている。
ECの機能を高めつつも、顧客とのリアルな接点を重視している。ECに不慣れな高年齢層を対象に、電話注文を受け付けている。客がサイトを見ながら、スタッフがオーダーを受ける形式だ。多い日は1日3件ほどの問い合わせがあるという。ECとプレスを兼ねる少人数のスタッフで分担し、注文受け付けと併せてコーディネート提案も行っている。
23年9月からは、展示会に合わせた先行受注会も開始。来場者にスタッフが商品を説明し、その場でECから購入してもらう仕組みだ。ECスタッフが直接接客することで、「購入に至るまでの客の心理など、データでは見えにくい情報を得られるメリットがある」とECPR本部事業部長プレス兼任の山本知里さん。こうした声をページやコンテンツ作りに生かしている。
今後はEC上でのパーソナライズ提案の強化に加え、外部ECを通じた新規顧客の獲得などにも注力していく。