ビヨンクール ダニエルウェリントンショップをHMSに転換

2019/11/18 10:58 更新


 服飾雑貨輸入卸・小売りのビヨンクールは、年内にスウェーデンの時計ブランド「ダニエルウェリントン」との総輸入代理店契約が終了するのに伴い、ダニエルウェリントンショップを直営時計品揃え店の「エイチエムエスウォッチストア」(HMS)に転換している。

 23店あったダニエルウェリントンショップのうち1店を閉め、銀座、原宿、岡山の3店は新設されるダニエルウェリントンジャパン社に譲渡、19店がHMSとなる。

 11年にスウェーデンで創設されたダニエルウェリントン社は円形のビッグフェイスを特徴とする腕時計が世界的な人気となり、100カ国以上、8000以上の卸し先に販売している。同社は近年、世界各地で現地法人化を進めており、14年から日本で総輸入代理店となっているビヨンクールとも18年10月から業務移管交渉に入っていた。

 ビヨンクールはダニエルウェリントンでセレクトショップ向け卸と並行して直営店を広げ、16年には国内販売累計40万本を超える、時計ブランドとしては異例のヒットとなった。

 シルバーアクセサリーが主力だった同社は09年に、ベルギーの「アイスウォッチ」の代理店契約から時計事業を開始。ダニエルウェリントンのヒットなどで、現在は全社の卸し売り上げの65%を時計事業が占め、今年8月には時計事業部を新設している。

 19年6月期の全社売上高は約59億円。ダニエルウェリントン移管の影響で約4億円減少した。だが、売り上げが前年比180%増の「オリビア・バートン」、同40%増の「ディーワンミラノ」などの既存ブランドがあり、スウェーデンの「ティッドウォッチズ」が新たに加わるなどで、20年度に売り上げは回復する見込み。

 契約のリスクが伴う海外ブランドへの依存軽減と、国内の時計産業活性化を目的に、「世界的にも高い技術が評価されている日本人の時計職人によるオリジナルブランドの拡大、開発にも注力する」(岸田光生常務)としている。

売り上げ急増中のオリビア・バートン(3Dデイジーモデル)


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