大手百貨店の11月の衣料品商戦は振るわなかった。その最大の要因は婦人コートの不発だ。冬物のプロパー販売は最大のヤマ場だった21~23日の連休が期待を裏切り、11月の売り上げは前年同月比で2~3割減となった。消化率の低い品番では、すでに11月下旬から値下げが始まった。冬物コートのプロパー販売は12月中旬までに限られるため、残り1~2週間の短期集中型の商戦に突入した。
冬物コートは年々右肩下がりが続いていたとはいえ、「ここ数年で最大の落ち込みだった」(都内百貨店婦人服部長)という。婦人服の冬物売り上げに占めるコートの比重の大きさを改めて示した。
今シーズンに入っても売れ行きの良いガウチョやテーパードのパンツと合わせた羽織る感覚のコーディガンやコンパクトなニットは前年同月実績を大幅に上回った。大手百貨店の商品部長は「ニットやワンピースの一部が売れても、単価の高いコートの負け分を取り返すことができなかった」と振り返る。