厳しかった百貨店婦人服コート商戦 MDの見直し急務

2020/03/03 06:26 更新有料会員限定


 衣料不振に加え、消費税増税、暖冬が厳しさに追い打ちをかけた百貨店婦人服のコート商戦。暖冬によるMDの見直しが急務になっている。一方、逆風の中で百貨店が重点すべきポイントも見えてきた。「コートは百貨店で買う」という根強い支持がある。百貨店ならではの価値ある高単価商品や新鮮な提案などで改善の手立てはある。

(金谷早紀子)

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低価格ダウン完敗、ウール健闘

 阪急うめだ本店、高島屋大阪店、あべのハルカス近鉄本店の婦人服コート売り上げは、阪急が16%減、数量では19%減(19年8月~20年1月)、高島屋が非ウール10%減、ウール13%減(19年9月~20年1月)、近鉄が非ウール16%減、ウール14%減(同)だった。

 3店に共通するのが、「NBの価格訴求ダウンコートが動かなかった」という誤算だ。毎年縦積みで売れる2万~3万円の定番ダウンコートが軒並み不振。「想定外」(阪急)、「特に不振」(近鉄)で、百貨店以外でも手に入るベーシックなダウンコートに価値が見いだされなくなっている。

 加えて、毎年売り上げを伸ばしてきた高価格のインポートダウンも、3社とも「悪くはなかった」が前年を割った。売れ筋がショート丈に変わり、インポートの中では手頃な「タトラス」に人気が集中したことも影響した。

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