実感なきジーンズブーム 中小メーカーの活路は? 本澤裕治さんに聞く

2024/03/15 12:30 更新


ドクターデニムホンザワ 本澤裕治社長

 世間ではジーンズブームが続いていると言われていますが、中小のジーンズメーカーや工場でその実感を得ている企業はあまり多くないでしょう。ジーンズ業界は最盛期には、トップ2ブランドだけで、国内で年間約1500万本を製造していました。その頃に比べれば激減しています。

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 また、大手SPA(製造小売業)の2990~6900円ほどのジーンズが市場を席巻したことで、より厳しくなりました。消費者はこの価格帯の中で、ベーシックなアイテムからトレンド寄りのものまで揃えられる。品質も年々上がっており、これを相手に中小メーカーが勝負するのは難しいと考えています。

 今まで通りのやり方では落ちていく一方です。何か新しい商品やブランドを企画しなくてはいけない。そのヒントは、売り場にあると思います。

 先日、とあるカジュアルチェーンの店舗の中で、一番パンツを売るという店を視察しました。ジーンズ売り場はNB数ブランドで埋まっており、小さなブランドが入り込む余地はないと思い知りました。

 市場にないものを開拓するべきです。例えば、コーデュロイの5ポケットパンツは、最近は売り場にほとんど見当たらない。そういった、大手があまり作っていない商品に勝機があると思います。 

 24年は準備の年だと捉えています。市場を分析し、新しい企画を練り、来年こそは攻勢に出たいです。



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