みなさんいかがお過ごしでしょうか。
年末年始は日本から友人が来てくれて、アテンド三昧の日々でした。
おかげですっかり日本が恋しくなり、今年は一時帰国を目指そうと、空港で友人を見送りながら心密かに想った、そんな2014年の始まりですが、何卒、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
本日は……、Misericordia(ミゼリコルディア)のファンの方お待たせ致しました☆ 昨年の続きでミゼリコルディアの創設者でデザイナーオーレリアン(写真下)のインタビューです。
彼のペルーに対する想いやクリス・ヴァン・アッシュ氏との出会い伺いました。
Misericordia(ミゼリコルディア)とは? フランス人、Aurelyen(オーレリアン)とその友人マシューが創立したブランドで、オーレリアンが初めて訪れた中南米ペルーで目の当たりにした貧困地域とその生活者たちの為に何か出来ることはないかと、2003年に開始したペルーのローカルプロジェクトです。
ーはじめましてオーレリアン、簡単なプロフィールをお願います。あと、何故ここペルーでこういったプロジェクトを開始したんですか?
オーレリアン(以下、A): 僕はパリ近郊のセーヌ、サン=ドニで生まれ、幼少期を過ごし高校時代から絵画を始めパリのBeaux Artsで5年間学んだんだ。その後、アメリカンアートを吸収するためにNYへ渡って、一旦パリに戻り、2年間世界中を旅すると決め、新しいアーチストたちとの出会い、旅からのインスピレーションを得て自分自身のスタイルを確立していったんだ。
ーではペルーにはどうして?
A:2003年に初めて訪れたラテンアメリカがペルー。そこで目にしたPuente piedra(貧困層が住む地域)に行った時に、なんとも言えないインパクトを受けたんだ。その当時、今では考えられないほどのスラム化したこの地域をみて言葉を失ったよ。。。それからその地域にある小さな洋裁学校(ミゼリコルディア)で、zapallalプロジェクトを開始したんだ。その学校の先生に協力してもらい、ペルーの製品でメンズとレディースのラインを少しずつ、生産していって、ミシンや器具も一台一台少しずつ揃えていったんだよ。当時はスペイン語は話せなかったけど。
ーすべての工程をペルーで生産してるんですよね?
A:そうだよ、ペルーの素晴らしさやアイデンティティー、クリエーションをTシャツに込めて。ハイレベルなコレクション開発するための十分な知識や技術をもつ職人たちと共に、ね。
ー私もそう思います、ペルーの人々は技術に優れ、男女とも手先が器用な人が多いしアーティスティックなことが好きですよね。しかも情熱的だし。
A:僕はファッションの勉強をしたことがないし、写真やビデオをつくるコンテンポラリーアーティストだったけど、ミゼリコルディアのアイディアは、ファッションシーンにおいて、ペルーで最初のインターネットブランドだということ、そしてリマには工芸品やインカの歴史だけではなくすばらしい現代アートもあり優れた建築家やアーティスト、多くのクリエーターがいることを世界に証明したかったんだ。
ミゼリコルディアのスタッフ達
ーオーレリアンにとってペルーとは?
A:僕は当初、ペルーでブランドを作るために来た訳ではないんだ。ファッションのことも何も知らなくて、ただ地図を広げペルーに行こうと決め、ペルーに恋をしてここにいるんだ。確かに他の国で店舗を構えたり他のビジネスアイディアなども生まれるるかも知れないけど、僕はただ、ペルーが好きでこの10年フランスとペルーを行ったり来たりという生活をしてきたんだ。ペルーから発信するミゼリコルディア、僕のチーム、感情やメッセージを伝えるTシャツ、これらをすごく大切に想っている。ペルーのブランドがフランスや日本などのセレクトショップで一流ブランドと肩を並べていることが僕の誇りなんだ。
ーDior Hommeのクリス・ヴァン・アッシュ氏との出会いは?
A:今ちょうど彼のプリントをやっているんだ(最新のプリント拝見させてもらいました☆)。彼(クリス)とは多くの場面で偶然を感じているんだ。最初の出会いは休暇でアルゼンチンに行った時にレストランでどこかで見たことある人がいる、と思ったら、あのクリスだったんだ。僕はすかさず、会えて嬉しいと挨拶して僕のプロジェクトと名刺を渡した時に彼はミゼリコルディアとプロジェクトの事を知っていて、なんと、彼のアシスタントがミゼリのファンで、いつもミゼリのTシャツを着ているんだよ。ってことも教えてくれんだ。それからパリで再開しクリスとのコラボが始まったんだ。
ーすごい、なんと運命的な。
A:時々、物事は非常にシンプルに進むんだよ。僕たちは大量に生産せず、コラボは稀に特別なアートTをつくるけど、コラボは唯一クリスの為だけにしているんだ。このプロジェクトは一定のレベルがあり、大量に安価な物を作ることが出来ない。5万枚のシャツを2ドルで、はとても無理な話だからね。そんなことをしたら、どんな風にして僕はスタッフに給料を支払えばいいのか分らなくなるし、プロジェクトを行うことだって出来なくなるから。僕は大規模なことは何もしてないし、そもそも排他的なんだ。(笑)
ー最後になりますが、これからのミゼリコルディアの方向性は?
A:単にキレイな服を作ることだけではなく、ファッションを通じた政治的、芸術的、社会的なプロジェクトであること。僕はペルーの価値を高め、新しい発見をし、人々にもっとペルーのことを知ってもらいたいと思ってるんだ。芸術、イノベーション、社会との関わり、世界のファッションシーンとペルーとのコンビネーション。それはとてもユニークでありラテンアメリカの代表。僕は生産者ではなくクリエイターであり続けたいんだ。
いかがでしたか。ミゼリコルディアのプロジェクトが多くの方に知られることで、ペルーをより深く知ることができるのかもしれません。
マチュピチュだけじゃない?!もっとディープなペルー情報を知りたい方必見