新型コロナウイルスの影響で多くのSCが苦戦するなか、地域に密着した施設が健闘している。感染予防のため、生活圏で買い物する消費者が増えたためだ。足元商圏客のニーズに即したテナントや業種を揃える東京の都市近郊の駅ビル・ファッションビルは都心で買い物していた客も取り込んでいる。
(有井学)
足元で消費
政府の緊急事態宣言解除後も多くの消費者はテレワークを含めて家で過ごす時間が増え、都心部への外出を控えている。宣言解除後に営業を再開したSCの大半は入館客数が減少し、広域から集客してきた大都市中心部の売り上げが特に厳しい。
こうしたなか、調布パルコは6月1日から全館営業を再開し、売り上げが順調だ。6月は時短営業の影響などで入館客数は前年同月比約6%減だったが、テナント売上高は2.7%増。コロナの影響が直撃している旅行代理店と飲食店を除くと、9.8%増と伸ばした。7月1~15日は雨天が多く、昨年は同時期に全館セールを実施した影響で前年同曜日比で5.5%減だが、業界全体が厳しいなかで健闘している。20年2月期に入館客数935万5000人(前期比5.4%増)、売上高185億8700万円(3.3%増)を達成した流れを維持している。
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